遺言書をつくりたいとき
遺言には何を書くのも自由です。法律的には意味のないメッセージも、遺言者本人には大切であることには変わりありません。

遺言書をつくりたいとき

遺言には何を書くのも自由です。法律的には意味のないメッセージも、遺言者本人には大切であることには変わりありません。しかし遺言書は、本人の思いを反映した遺産分配、円滑な相続への計画書です。あいまいな遺産分割の指定や、遺留分を侵害する相続分の指定など、自分の死後に相続人の間でトラブルになりそうな遺言は避けるべきです。

これらの遺言書作成の留意点を踏まえながら、遺言をする人の思いをよくお聞きし、その思いが実現できる遺言書の作成支援をさせていただきます。

~遺言書~

遺言書があればいいケース

◆お子さんがいないご夫婦の場合
両親はすでに死亡、そして夫が死亡した場合の妻の法定相続分は4分の3、残り4分の1は死亡した夫の兄弟姉妹や甥・姪が相続人として登場します。したがって遺産分割協議は甥・姪を含めて行う必要があり、相続手続きはたいへん複雑になります。
◆世話になった相続人に寄与分を残したい場合
相続人間の分割協議で、どれだけ寄与したかという証明は、簡単ではありません。
その算定をめぐり相続人の間でもめることも予想されます。

⇒これらのケースは、遺言書で相続分の指定をしておけば、遺言者の意思が実現されやすく、遺言書があればいいケースといえるでしょう。

≪遺言に関する法律と用語≫

・遺言の方法(960条~)
・遺言能力(961条)
・遺言の方式(967条)
・自筆証書遺言(968条)

遺言者本人が自筆で作成する遺言です。一人で作成できること、その存在・内容を秘密にできること、ほとんど費用がかからないメリットがあります。
しかし、遺言書が正しい形式で作られていない場合に法的に無効とされたり、紛失のおそれがあり、遺言書の偽造・変造を防止するため家庭裁判所の「検認」という手 続きが必要です。
相続トラブルを避けるため、この「自筆証書遺言」も法務局に預けられる制度が、今回 の改正で新設されました。

※自筆証書遺言の相談事例: 裁判所の検認を受けた自筆証書遺言を持参され、相談に来られました。
相談者の両親が共有する不動産について、相続人を相談者に指定する内容の遺言書で、検認も済んでいました。
しかし、この遺言書は民法が禁止する両親二人連名の共同遺言でした。
管轄法務局は、民法で禁止されている共同遺言であることを理由に相続登記はできないとのことでした。
改めて遺産分割協議が求められるケースです。

・公正証書遺言(969条)

公証役場で公証人に作成してもらうため手間と費用がかかりますが、形式不備で無効となるリスク、偽造、変造、紛失などのリスクを回避できる点で、最も確実な遺言です。  手間と費用など詳しいことは当事務所にご相談ください。

公証役場で公証人に作成してもらうため手間と費用がかかりますが、形式不備で無効となるリスク、偽造、変造、紛失などのリスクを回避できる点で、最も確実な遺言です。
手間と費用など詳しいことは当事務所にご相談ください。

・秘密証書遺言(970条)
・遺言の撤回(1022条~)
・遺贈(964条)
・遺言執行(1004条~)

遺言書の作成

遺言でできること

認知(781条)、相続人の廃除(893条)、廃除の取り消し(894条2項)
特別受益者の相続分の指定(903条3項)、寄付行為[41条]、信託(信託法2条)
祖先の祭祀を主宰すべき者の指定(897条1項ただし書)

遺言でしかできないこと

未成年後見人の指定(839条)、未成年後見監督人の指定(848条)
相続分の指定・指定の委託(902条)、遺産分割方法の指定・指定の委託(908条)
5年以内の遺産分割の禁止(908条)
相続人相互の担保責任の指定・免除(914条)
遺贈(964条)、遺言執行者の指定・指定の委託(1006条)
遺贈の遺留分減殺方法の指定(1034条)

遺留分(1028条~)

※※将来を見据えた遺産分けを
父死亡で一次相続、続いて母死亡で二次相続・・・ 2次相続では、相続税軽減の特例措置「配偶者の税額軽減」は使えないので、税負担が大きくなる可能性があります。相続全体での税負担を考える場合は、一次相続だけでなく二次相続もあわせた対策も考えるべきです。 たとえば「値下がりしそうな財産は母親、値上がりしそうな財産は子ども」というように将来の財産評価を見据えた遺産分けも考えられます。